朗報!ゲームをすると頭が良くなる可能性・・・ ゲームとIQの相関関係(ヨーク大学研究論文)
論文で証明、ゲームとIQの相関関係
ゲームとIQの相関関係と、ゲームによる知能テスト、認知能力の検査の可能性に関する論文「Why video games could be the new IQ tests」https://theconversation.com/why-video-games-could-be-the-new-iq-tests-87625が先日発表された。
論文によると、研究はヨーク大学のデジタル・クリエイティビティ・ラボで行われ、心理学とコンピューターサイエンス部門の研究者たちが2種類の調査を実施。ゲームのスキルとIQには相関関係があることが分かった。
また、ゲームスキルとIQに相関関係があることを利用して、様々な研究やテスト、検診までもできる可能性が出てきた。
特にMOBA系ゲームで!
一種類目の研究では、『League of Legends』の経験が豊富な56人のプレイヤーを対象に、一般的な筆記による知能テストを行った。
その結果『League of Legends』において成績が良い者の平均IQは115~120で、人口の上位15%に含まれることが分かったとされている。
二種類目の研究では、MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)の『League of Legends』と『Dota2』、FPSの『Destiny』と『Battlefield 3』にて20000以上のデータを分析した。
この研究からは、MOBAタイトルにおいて最も高いパフォーマンスを出せるプレイヤーの年代はIQが最も高くなる年代と同じ20代半ばであり、IQの高さとMOBAゲームのスキルとには相関関係があることが分かった。
しかし一方で、FPSタイトルにおいてはこの相関性が発見されなかった。
これはFPSタイトルでのスキルが、スピードやターゲットの正確性に依存しているのに対し、MOBAタイトルでは記憶や戦略により意思決定が行われているためと考えられている。
そしてこのMOBAゲームにおける戦略的意思決定が、IQの高さに繋がっているのだろう。
チェスのような戦略ゲーム
今までの研究でも、チェスのような戦略ゲームが得意なプレイヤーは、IQテストで高いスコアを記録する傾向にあることはわかっていた。
この研究では、チェスと同じIQとの関係がMOBAゲームにも認められたのだ。
今回の研究はこれを世界で数百万人が毎日プレイしているゲームに拡張したようなものであり、つまりこれは、ゲームのパフォーマンスによって、有益かつ普遍的な知能測定を容易にできるということを示していると研究者は主張している。
医療分野・認知科学への貢献も
ゲームのスキルと知能の相関性が確認されたことで、経年による知能と健康の関連性を探る医療などの分野において、ゲームが大規模なデータの源となる可能性に研究者は期待を寄せている。
例えばIQを測定することによって一定の人々の認識能力の低下を発見する、というような早期警告システムを作ることができるかもしれないというのだ。
このような研究が進めば将来、ゲーム内でのプレイデータが環境や知能テスト、薬品開発、医療における処方といった分野において広く利用される時代が来るかもしれない。
V3 Esportsの見据えるビジョン
現在私たちV3 Esportsは、高等課程にゲームコースを持つ学校法人神戸学園では、V3の選手が講師として将来のeスポーツ選手の育成も行っている。
eスポーツやゲームが、思考力やIQにとってよいことが認知されることによって、「IQ向上のためのeスポーツ」という新たな価値観が教育の場に導入されるのも近いかも知れない。
今後は更に積極的に、「eスポーツ×教育」、「eスポーツ×研究」、「eスポーツ×テスト」を推し進め、様々な分野に貢献していきたい。
【参考文献】
「Why video games could be the new IQ tests」
出展:https://theconversation.com/why-video-games-could-be-the-new-iq-tests-87625
著者:
・Peter Cowling, Director of IGGI and DC Labs, Professor of Computer Science, University of York
・Anders Drachen, Professor of Computer Science, Games, Analytics and Business Intelligence, University of York
・Athanasios Kokkinakis, PhD Candidate, University of York