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コロナウイルスとゲーム業界の未来

2020年4月28日

ゲーム業界に「特需」到来？

世界的なコロナウイルスの蔓延の中で、経済の先行きにもまた、不安が広がっている。2020年4月27日現在、40以上の都道府県がカラオケ店や映画館に対し、休業要請を行っている。人々の消費活動は冷え込む一方だ。

しかし、悪いニュースばかりではない。このような状況のなか、「特需」が噂される業界が存在する。それが、ゲーム業界だ。外出制限や自粛が追い風となり、「コロナ景気」がゲーム業界に到来するというのだ。3月23日、ゲーム／eスポーツ業界アナリストの但木一真氏は、Twitter上でゲーム業界の「コロナ景気」を示唆する内容を投稿した。

同様の言説はしばしばみられるが、実際に、コロナの影響でゲームの売上はあがったのだろうか？

徹底検証！「コロナ景気」は本当か？

ゲーム業界の「コロナ景気」を検証するために、東京において外出自粛要請が出された3月の第4週のゲームソフト週間販売数と、その前後週の週間販売数を比較してみよう。

対象としたのは、新発売でなく、週間販売数ランキングに長期間顔を見せている「マリオカート8 デラックス」・「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」・「リングフィットアドベンチャー」とした。

増加する販売数！

ファミ通.comによると、3月の第3週（3/16～3/22）の「マリオカート8 デラックス」の販売数は12,095本、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」の販売数は10,647本、「リングフィットアドベンチャー」の販売数は7,505本であった。
それに対し、3月第4週（3/23～3/29）の販売数は「マリオカート8 デラックス」が11,577本、「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」が10,355本、「リングフィットアドベンチャー」が13,819本であった。

「マリオカート」と「スマッシュブラザーズ」は微減しているが、同じ週に破壊的な販売数を記録した「あつまれどうぶつの森」が発売したことを考えると、十分な健闘であるといえよう。

ゲームで運動不足解消！？

「リングフィットアドベンチャー」に関しては、3月第3週から大きく販売数が増加している。さらに、4月第1週（3月30日～4月5日）には「マリオカート」が14,171本、「スマッシュブラザーズ」が12,257本と、「リングフィットアドベンチャー」に1週遅れる形で販売数増加を記録している。

総じて、コロナの流行は確かにゲームの売上に貢献しているようだ。特に、「リングフィットアドベンチャー」のような体感型ゲームは、外出自粛による運動不足の「防止策として、顕著な売上増が見られた。人々の生活を支えるものとしてのゲームが、今注目を集めているといえるだろう。

ゲーム業界が応援！#PlayApartTogether

ゲーム業界の側もまた、人々の生活を支えるのに尽力している。今月、世界のゲーム企業は共同で、「＃PlayApartTogether（離れて一緒に遊ぼう）」キャンペーンを開始した。参加企業には「リーグ・オブ・レジェンド（LOL）」で知られるライオットゲームズ社や、「オーバーウォッチ」で有名なアクティビジョン・ブリザード社も名を連ねる。このようなキャンペーンも、今後のゲーム業界の飛躍を後押しする要因になるだろう。

また、上記の「LOL」、「オーバーウォッチ」というタイトルはいずれも、eスポーツの種目として膨大な競技人口を誇るタイトルでもある。eスポーツ業界にとっても、コロナウイルスは悪いことばかりではなさそうだ。

コロナウイルス流行下での人々の生活に娯楽をもたらし、また、コロナウイルス収束後の経済復興をゲーム業界とeスポーツ業界が担っていけることを切に願っている。